西国三十三所巡り 京都市内編(今熊野観音寺・六波羅蜜寺・清水寺・六角堂・革堂)

2020-12-07

京都市内に集まっている札所をまわった記録です。歩いて回れる距離に札所が続き、一日で複数をたずねられます。

西国三十三所巡り その12(十五番札所今熊野観音寺)(2020年9月14日)

西国三十三所は近畿2府4県と岐阜県に点在するお寺をめぐるのですが、さすがに京都のお寺の比重が大きいです。33か所中11か所が京都にあります。そんな割合の多い京都のお寺も半分以上参りました。全体の4割を過ぎたところですね。今回は今熊野観音寺に参拝してきました。皇室の菩提寺である泉涌寺の塔頭です。塔頭とは、この場合は大きなお寺の敷地内にあるお寺のことを言います。

第十五番 新那智山 観音寺

平安前期(824年~833年)に嵯峨天皇の勅願を受けて弘法大師が開創しました。ご本尊は十一面観世音菩薩です。ご本尊は秘仏ですが、毎年秋の彼岸の時期に御開帳されるそうですが、今年はこのご時世ですのでどうなるのでしょうか。十一面観世音菩薩像は、807年に東寺に居た弘法大師が東山から光が出ているのを見つけ、その地にやってくると熊野権現が現れ一寸八分(約5cm)の十一面観世音菩薩像を授かったそうです。それをもとに弘法大師が一尺八寸(約54cm)の十一面観世音菩薩像を彫り、その中に授かった像を納めて奉安したことが由来です。

今熊野観音寺は頭痛封じの観音様としても有名です。後白河上皇は頭痛持ちでしたが、十一面観世音菩薩の霊験によって治癒したことが由来です。また頭痛封じだけでなく、知恵授け、ぼけ封じの観音様として信仰されています。元々、後白河上皇は熱心な熊野三山の信者でした。持病の頭痛が平癒したため、この地の熊野権現の話になぞらえ、「新那智山」の山号を授けて山麓に新熊野神社を造営しました。

泉涌寺の塔頭なのですが境内は広く紅葉の名所だそうです。本堂前には大きなしだれ梅もあります。どちらも時期が違うので見ることはできませんでしたが…。

駐車場を出て階段を上るとすぐに子護大師の像があります。弘法大師に子供が集っている姿は和みました。

そこを抜けると弘法大師が錫杖で岩を突くと水が湧き出したと伝えられ、五智水と呼ばれています。その五智水が今でも湧き続けている五智の井があります。

他にもぼけ封じ観音や平安様式の多宝塔「医聖堂」、西国三十三所の各ご本尊を奉安している今熊野西国霊場など見どころも満載です。

今回も車で移動しました。京都市内は立地の特性上、車よりも歩きや公共の交通機関を使う方が便利だと思うのですが、今熊野観音寺は車でも大丈夫でした。入山料も駐車料金もかかりません。ただし駐車場まで行く道が分かりにくかったり、小さな橋を渡ったり、駐車スペースが小さかったりするので注意が必要です。泉涌寺参道を左に曲がる道に看板もあるのですが、分かりにくいです。一度Uターンして気づきました。また道を左折すると鳥居橋という橋を渡るのですが、この橋が小さいです。離合はできません。幸い対向車はいませんでしたので良かったのですが…。駐車場に車を停めることのできる台数が10台と、決して大きくありません。車で行かれる方は注意してください。

西国三十三所巡り その13(十七番札所六波羅蜜寺)(2020年9月21日)

西国三十三所参りは四国の八十八所参りと違い、歩き遍路が少ないのも特徴の一つだと思います。理由としてはお寺からお寺への距離が開いているところが多く、次のお寺まで100㎞以上離れているところが数か所あります。道はもちろん平坦な所だけでなく山道を通ることもあり、歩きでの移動では数日かかるところもあります。昔はとても大変だったと思います。時代が進むとともに交通の便が良くなり車やバス、電車などの公共交通機関の利用が一般的になり、参拝しやすい環境になったのではないかと思います。今回は六波羅蜜寺に参拝しました。京都の町中にあり前のお寺からの距離も近く、十六番札所である清水寺から歩いていくことができます。

第十七番 補陀洛山 六波羅蜜寺

951年に「市の聖」と呼ばれる空也上人が開創したと伝えられています。ご本尊は十一面観世音菩薩です。疫病が蔓延する京都で、自ら刻んだ十一面観音像を車に乗せて行脚したそうです。念仏を唱えながら観音様にお供えした梅干しと昆布入りのお茶を病人に振る舞ったそうです。それが今も皇服茶として伝わり、正月三が日に振る舞われています。梅昆布茶の原型と言われているそうです。

最初は西光寺という名前だったそうですが、977年に空也上人の弟子である中信上人により六波羅蜜寺に改称されました。空也上人の作と言われるご本尊の十一面観音像は国宝に指定されています。秘仏で12年に一度、辰年にご開帳されています。次回は2024年予定だそうです。

入山料はありませんが宝物館が併設されており、拝観料は大人600円、大学生・高校生・中学生500円、小学生400円です。宝物館には重要文化財が多数展示されています。中でも木造の空也上人立像が有名ではないでしょうか。口から六体の阿弥陀仏が吐き出されている像ですね。六体の阿弥陀仏は「南無阿弥陀仏」の六字を象徴しているそうです。

本堂では、開運推命おみくじというものがあります。このおみくじは、「四柱推命」をもとにした占いで、生年月日と性別から一年の運勢を知ることが出来ます。2月4日から翌年2月3日までの運勢を占えます。注意点としては、13歳未満88歳以上にはおみくじがありません。なんでも13歳未満と88歳以上には吉凶がないということらしいです。

境内にはパワースポットがいくつもあります。入ってすぐにある「一願石」は訪れた人の願いを一つだけ叶えてくれると言われています。金色の文字があるのでそこを中心に合わせてから、願いを思い浮かべ、祈りを込めてこの円盤状の石を手前に3回まわすことで、願いが叶うそうです。

手水の左側に「無事かえる」と書かれた立て札があり、二匹のカエルが参拝者の無事を祈ってくれています。

本堂正面には牛の像が設置されています。「撫で牛」と呼ばれ、自分の患っている悪いところを撫でると病気や怪我が治るご利益があるそうです。コロナの影響でしょうか?マスクをしていますね。

境内には駐車場がありませんので、車で行かれる方は近くのコインパーキングを利用することになります。道がそんなに広くなく駐車台数が少ないところが多いので、お寺の近くに停めるよりは少し離れたところのコインパーキングに車を停めて散歩がてら歩くのが良いかもしれません。

西国三十三所巡り その14(十六番札所清水寺)(2020年9月28日)

今回は清水寺の参拝です。清水寺では平成の大改修として2008年から境内・堂舎群の修理工事、2017年から檜皮葺屋根を葺き換え工事、2020年5月から清水の舞台の床板の取り換え工事が行われています。私が参拝した時には舞台の半分くらいのところに柵があり入れないようになっていました。

木造の歴史ある建物な上に参拝客も多いとなると定期的なメンテナンスが必要になるのでしょうね。

第十六番 音羽山 清水寺

778年に奈良で修行を積んだ賢心(のちに延鎮と改名)が夢のお告げで音羽山に訪れ、清らかな水が湧出する瀧を見つけます。その瀧で修行している行叡居士(ぎょうえいこじ)に音羽山と瀧を託されて創建しました。ご本尊は十一面千手千眼観世音菩薩です。清水型千手観音と呼ばれていて、両脇から20手ずつ、真ん中の合掌している手をあわせて42本の手があるのですが、そのうちの左右各1本を頭上に伸ばして組み合わせ、化仏(けぶつ)を捧げ持つ特殊な形式の像です。秘仏で33年に一度御開帳されます。次回は2033年に予定されています。脇侍には毘沙門天像と勝軍地蔵(武装した地蔵菩薩)が安置されていますが、こちらも秘仏となっていますが、ご本尊と一緒に御開帳される予定です。

参拝した時間は昼過ぎだったのですが、やはり有名どころの清水寺は参拝客がそれなりにいますね。とは言っても今年初めに参拝した時よりも人は少なかったですが…。拝観の時間は6時から18時までですが、時期によっては夜間拝観を行っているので21時まで受付をしているときもあるそうです。混雑を避けたいなら朝早く参拝するのも手かもしれませんね。ちなみに納経の時間は8時から16時30分までです。

世界遺産に登録されている清水寺は見どころも満載です。入ってすぐのところにある仁王門、龍の鬼瓦のある日本最大級の三重塔、胎内巡りのできる随求堂、国宝である本堂、ことわざにもなった清水の舞台、創建の由来となっている音羽の滝などなど。基本的にはルートを示してくれています。地主神社などは行って帰ってをしないといけない所もありますが…。ざっと回って一時間くらいでしょうか。このご時世なので随求堂は閉まっていたり、大改修で清水の舞台が工事をしていたりしましたが、時期を開けて再訪したいと思います。両方とも阿形の狛犬や八方にらみの虎や音羽の滝のそばにある茶屋滝の家などまだまだ見どころ食べどころがありますからね。

拝観料は大人・大学生・高校生は400円、中学生・小学生は200円です。境内に駐車場はありませんので、車で行った場合は近くのコインパーキングや市営の駐車場を利用するしかありません。清水寺近くは歩行者が多いうえに道幅が広くないので、車はお勧めできません。車で行くとしても少し離れたところに停めた方が安全ですし、景色を見て風情を楽しみながら参拝するのが良いと思います。

西国三十三所巡り その22(十八番札所頂法寺六角堂)(2020年11月23日)

今回は六角堂に参拝です。寺号は頂法寺なのですが、本堂が平面六角形なので六角堂と呼ばれています。六角堂は京都の町中にあり、ビルに囲まれています。隣にあるビル「WEST18」は西国十八番札所が名前の由来だそうです。エレベーター内から六角堂を上から写真を撮ることができます。

第十八番 紫雲山 頂法寺

587年に聖徳太子が創建したと伝えられています。聖徳太子が四天王寺建立の材木を求め京都盆地にやってきて沐浴をしたとき、泉のかたわらにある木に念持仏をかけたところ動かなくなった。観音像は光を発し、自分は七生にわたって太子を守護してきたが、今後はこの地にとどまり衆生を済度したいとのお告げ受けたことから、聖徳太子はこの地に六角の御堂を建てて、念持仏を安置したと伝えられています。創建した時から六角形のお堂だったそうですが、時の変遷の中で四角形になったこともあるそうです。現在のお堂は1877年に再建されたもので六角形のお堂です。ご本尊は如意輪観世音菩薩です。秘仏ですが、御開帳は不定期ですが行われています。最近では2020年7月から9月に京都博物館で開催された「西国三十三所草創1300年記念 特別展 聖地をたずねて─西国三十三所の信仰と至宝─」に出展されたそうです。

境内には縁結びの御利益がある柳があります。平安時代初期に、嵯峨天皇の夢枕に六角堂の如意輪観音が現れ六角堂の柳を訪れるようお告げを受けて行ってみると、妃となる女性と出会ったという伝説から「六角堂の柳に願をかけると良縁に恵まれる」と言われ、「縁結びの柳」と呼ばれるようになりました。柳の枝を2本寄せておみくじで結ぶと、縁結びのご利益があると言われています。

他にも聖徳太子が沐浴したと言われる池があります。この池の近くに宿坊を構えたことから「池坊」と呼ばれたそうです。ご本尊にお花を供えていたのがいけばなの始まりだそうです。そこから華道の家元になったということです。近くにはいけばな資料館という建物もあります。その池には白鳥が泳いでいました。白鳥が大きくて迫力があり、少し恐怖を感じました。鯉もたくさん泳いでいましたね。

今回も車で移動したのですが、京都の町中にあるので公共交通機関を使う方がいいですね。道が狭かったり一方通行だったりと不便です。こちらのお寺には駐車場が用意されていないので、近くの私営駐車場を利用しなければなりません。私は六角堂の目の前にある六角堂南駐車場を利用しました。料金は最初の60分が600円、以降は30分ごとに300円です。車のキーを預けるタイプの駐車場です。PayPay決済ができます。

西国三十三所巡り その23(十九番札所革堂)(2020年12月7日)

今回は革堂に参拝しました。寺号は行願寺といいます。前回の六角堂と同じで革堂というのは通称になります。こちらも六角堂と同じで町中にあり山門は家に挟まれた感じになっています。このお寺は西国三十三所の中で唯一の尼寺です。私も尼僧の方に御朱印を書いて頂きました。

第十九番 霊麀山 行願寺

1004年に行円上人が創建しました。行円上人は出家する前は猟師をしていました。ある日、射止めた雌鹿の胎内から子鹿が誕生しました。その光景を見て殺生の非を悟り出家して仏門に入りました。その雌鹿の皮を常に身をつけていたことから「革聖(かわひじり)」と呼ばれ、行願寺は「革堂(こうどう)」と称されるようになりました。ご本尊は千手観世音菩薩です。行円上人が加茂神社の神木から得て、自らが三年かけて刻んだ高さ2.5mの像です。秘仏ですが、毎年1月17日、18日に御開帳されています。

幽霊絵馬の話も有名です。1811年江戸時代に行願寺の近くにあった質屋で子守りとして奉公していた「おふみ」という少女がいました。近くの行願寺から聞こえてくる御詠歌を子守歌代わりに歌い聞かせていたら質屋の子供が御詠歌を覚えてしまいました。宗派の違う質屋の主人はそのことに激怒し、おふみを折檻し死なせてしまいました。慌てた主人は遺体を隠し、おふみの両親に嘘をついてしまいます。おふみの両親は行願寺で娘の居場所をしえてほしいと願をかけ、そのままお堂で一夜を過ごしました。その夜、おふみが幽霊となって現れ両親に真相を告げました。翌日、両親は奉行所に駆け込み、おふみの亡骸を掘り出して供養しました。質屋の主人は捕らえられました。両親は供養の意味を込め、ふみの子守りをしている姿を杉板に描き母がおふみに贈った手鏡をはめて行願寺に奉納したと言われています。これが幽霊絵馬と言われ、縦1.5m横1mの大きさがあり、宝物館に納められています。毎年8月21日~23日に一般公開されています。

時期的にご本尊も幽霊絵馬も見ることは叶わなかったのですが、庭に七福神の像がありました。都七福神まいりのひとつ、寿老人神堂があり寿老人を奉っています。

今回も車で移動しましたが、行願寺には専用の駐車場がありませんので私営の有料駐車場を利用することになります。周囲にコインパーキングがいくつかありますが町中と言う事もあり公共交通機関を使う方がいいと思います。近くに喫茶店などの飲食店も多くあるので一息つくのもいいですよ。