西国三十三所巡り 奈良編(壺阪寺・岡寺・長谷寺・興福寺南円堂)

2020-11-16

奈良県の札所をまわった記録です。壺阪寺、岡寺、長谷寺、そして奈良公園の中にある興福寺南円堂をたずねました。

西国三十三所巡り その18(六番札所壺阪寺)(2020年10月26日)

今回からは奈良県のお寺を参ります。一つ目は壺阪寺こと南法華寺です。こちらのお寺は福祉にも力を入れているようで、日本で最初の養護盲老人ホームを設立したり、インドでハンセン病患者の救済活動を行ったりと、その活動は国内外に及んでいます。敷地内に老人ホームがありました。駐車場から入山受付に移動しようとすると目に入ってきます。

第六番 壺阪山 南法華寺

703年に壺阪山で修行をしていた弁基上人が愛用の水晶の壺に十一面千手観世音菩薩を感得しました。自ら観音像を刻み奉ったのが始まりです。ご本尊は十一面千手千眼観世音菩薩です。2020年10月10日から2020年12月6日まで壷阪観音お身拭い特別参拝を行っています。料金は500円です。係の人の説明を受けて手ぬぐいをもらい、その手ぬぐいでご本尊を拭くのですが、間近で見ると迫力があります。拭く場所は「膝から下を拭いてください」と説明を受けました。ご本尊の下側にある蓮を傷つけないようにかばんや装飾品は外した方がいいかもしれません。

境内に入る前から目に入る全長20mの大きな観音像もインパクトがあります。「天竺渡来大観音石像」と言うそうで、上記のインドでのハンセン病患者救済活動の返礼としてインド政府から贈られた石を使用したものだそうです。観音石像の他にも釈迦の入滅の姿を現した涅槃石像(8m)や大釈迦如来石像(5m)、全長50mある釈迦一代記など大きな石像や壁画があちこちにあります。他にも見どころは満載で、重要文化財に指定されている三重塔や七福神の石像、大きな手だけの石像などもあります。写真撮影がOKと至る所に書かれているのも珍しいと思いました。

入山受付をしたらスタンプラリーの紙を貰いました。壷阪寺内の石仏を巡るのですが、すべてをクリアすると入山受付でポストカードが貰えます。

壺阪寺は眼病封じのお寺としても有名で、毎年10月18日に眼鏡供養が行われています。全長3mのめがね供養観音なるものあります。2020年10月10日から2020年12月18日まで観音大めがねくぐりが開催されており、境内に全長20mの大観音石像のサイズに合わせて製作された「大めがね」が設置されています。

人形浄瑠璃や歌舞伎で行われる「壺坂霊験記」の舞台になっています。本堂横手の投身の谷と伝えられているところにお里澤市像が設置されています。昔は三十三所のお寺の話があって観音霊場記と言われていたようですが、長い時の中で断片的になったり失伝したりして、今では壷坂霊験記だけが残っているようです。

眼病予防のお寺だけあって目薬(1500円)を売っていたのにはびっくりしました。第3類医薬品だそうです。お守りや目薬はお取り寄せもできるようです。目薬に限らず、め煎餅や眼薬の木茶、柿飴などもネットでお取り寄せできます。ハイテクですね。

入山料は大人600円、17歳以下100円、5歳以下は無料です。駐車場が第一、第二を合わせて80台停められますが入り口は同じです。第一の方が入山受付に近いです。駐車料金は普通車500円です。山の上にあるので道は曲がりくねっていますが、舗装がされており道幅も狭くもないので運転は比較的楽でした。駅からバスも出ていますが平日は一時間に一本程度なので、車を選択できるなら車の方が良いと思います。

西国三十三所巡り その19(七番札所岡寺)(2020年11月2日)

奈良県二つ目のお寺は岡寺です。こちらは別名「花の寺」とも呼ばれているそうで、シャクナゲやサツキ、ダリアやボタンなど季節で色々と楽しめます。境内に入ってすぐの手水舎には花を浮かべた「花手水」と呼ばれるものがありました。

毎年ゴールデンウィークの時には石楠花まつりが開催されているそうです。その時期には境内の池にも花が浮かべられるそうです。

第七番 東光山 龍蓋寺

663年に義淵僧正が、天智天皇の皇子で27歳で早世した草壁皇子の住んだ岡宮の跡を譲り受け創建しました。ご本尊は如意輪観世音菩薩です。高さ4mを超える日本最大級の塑像で、如意輪観音では珍しい二臂の姿をしています。1月から3月までは本堂内で「やくよけ法要」を行っているので厄除け祈願をした人しか本堂内陣へは参拝できないそうですが、4月から12月までは本堂内陣の一般参拝ができるそうです。

岡寺と呼ばれているのは地名にちなんでいるからだそうです。

飛鳥の地を荒らして民を苦しめていた悪龍を、義淵僧正が寺の池に石で蓋をして封印したことから龍蓋寺と呼ばれるようになりました。その後、悪龍は改心し善龍となって池に眠ると伝えられています。龍が封じられている池を龍蓋池と言い、今に至るまで封じられた石は動かしていないと伝えられています。龍の厄難を取り除いて以来、「日本最初のやくよけ霊場」として知られています。

お寺には無料の駐車場があります。看板には「岡寺臨時駐車場」と書かれています。ですが、駐車場までの道順が複雑で、途中の道幅が狭く慣れていないと離合が難しいので、春や秋など混雑する時期の利用は控えた方がいいと思います。お寺も初めて参拝する場合は民営の駐車場を勧めています。岡寺へは初めて行ったので、今回は民間の駐車場を利用しました。「岡寺門前駐車場」と書かれていますが民営の駐車場です。駐車料金は普通車1日500円です。民営の駐車場からお寺に行く場合は急な坂を上ります。片側は階段ですが反対側は坂になっているうえに苔生しているのでコケないように注意してください。

階段を上ると左右に開けた道に出ます。右側には治田神社(はるたじんじゃ)と書かれた看板があります。左側が岡寺です。入山料は一般400円、高校生300円、中学生200円です。なお、岡寺の厄除け祈願の御札を返しに行った場合は、入山受付で御札を見せると、御札一枚につき一名のみ入山料が無料となります。私の前の参拝客がそうでした。

境内に入ると手水舎があり、階段を上ると本堂があり龍蓋池を横目に階段を上ると、奥之院があります。奥之院には石窟堂があり、奥には弥勒菩薩座像が安置されています。帰り道はまだ咲いていませんでしたが「もみじのトンネル」と書かれた道を通り、三重塔を見るルートを通りました。花が境内に飾られ、石仏や塑像など見どころも多く、天気も良かったので景色も良かったです。

西国三十三所巡り その20(八番札所長谷寺)(2020年11月9日)

奈良県三つ目のお寺は長谷寺です。真言宗豊山派の大本山で、入り口に「総本山 長谷寺」と書かれた石柱が建てられています。こちらのお寺も前回紹介した岡寺と同じで「花の寺」と言われ桜や牡丹の名所として有名だそうです。参拝した時期が10月の終わり頃だったので、牡丹が咲いていないのはもちろん、紅葉も色づいていなかったのが残念です。

第八番 豊山 長谷寺

686年に道明上人が天武天皇の病気平癒を祈願して創建されました。その後727年に徳道上人が聖武天皇の勅を受けて十一面観世音菩薩を造り、現在の本堂付近に観音堂を建て安置して開山したといわれています。ご本尊は十一面観世音菩薩です。木造の十一面観音立像で重要文化財に指定されています。木造の仏像で高さ10mを超えており日本最大級です。「長谷寺式観音」と呼ばれており、右手に数珠とともに錫杖を持って左手に水瓶を持って方形の大磐石という台座に立っているのが特徴です。

2020年10月10日から2020年12月6日まで秋季本堂特別拝観を行っており、国宝である本堂に入ることができ、ご本尊である十一面観音のおみ足に直接触れてお参りすることができます。料金は1000円です。現在は春と秋の年2回開催しているそうです。10mを超える仏像を間近で見ると迫力があります。これが木造というのだから驚きです。室町時代に作成されたそうなのですが、その時代にこれだけの巨大なものを造るというのは信仰心のなせる業なのでしょうね。

ちなみに秋季特別寺宝展も毎年無料で公開されていたそうなのですが、今年は感染症対策のために中止となっていました。

「総本山 長谷寺」の石柱の横を通り階段を上った先に仁王門があります。その前の受付で入山料を払い、しおりをもらい境内の案内を受けました。今回は入山料・本堂特別拝観・大講堂特別拝観がセットになったチケットを1700円で購入しました。通常入山料は中学生以上500円、小学生250円です。受付を済ませ仁王門をくぐり、登廊(のぼりろう)を渡っていきます。登廊は重要文化財に指定され長谷寺の見どころの一つです。灯篭が吊るされ厳かな雰囲気が出ています。西国三十三所草創1300年の記念印にもなっています。

秋季本堂特別拝観と同じ期間の2020年10月10日から2020年12月6日まで大講堂特別拝観も行われており、重要文化財に指定されている本坊大講堂内に入ることができます。拝観料は500円です。「長谷寺縁起絵巻」も全巻公開されており、こちらは写真撮影もできます。

境内は広く参拝しながらざっと回るだけでも一時間以上かかってしまいます。見どころも満載でじっくり腰を据えてみて回ると半日は経つのではないのでしょうか。

長谷寺には専用の駐車場があり、料金は500円です。門前町が近く人通りもありますので、イベントや連休時などは混み合うことがあるかもしれません。周辺にも同じような料金での駐車場がありますので混雑時はそちらを検討するのも一考かと思います。

西国三十三所巡り その21(九番札所興福寺南円堂)(2020年11月16日)

今回は興福寺です。こちらで奈良県の三十三所参りは最後になります。奈良公園の中に興福寺があります。奈良公園は奈良県有数の名所なので老若男女を問わずたくさんの人でにぎわっていました。奈良公園名物の鹿ももちろん多かったです。

第九番 山号なし 興福寺

興福寺は669年に藤原鎌足の妻である鏡大王が、夫の病気平癒を祈願して釈迦三尊像を本尊として京都市山科区に建立した山階寺(やましなでら)が始まりとされています。710年平城遷都に際し、藤原不比等の計画によって平城京左京の現在地に移転し「興福寺」と名付けられました。西国三十三所の札所になっている南円堂は、813年に藤原冬嗣が父の内麻呂の追善法要のために創建した八角円堂です。ご本尊は不空羂索観世音菩薩像です。国宝に指定されている高さ336cmの木造坐像です。秘仏ですが、毎年10月17日に特別開扉されています。

興福寺は法相宗の大本山となります。多数の国宝を所蔵しています。建造物の国宝は東金堂、五重塔、北円堂、三重塔があり、重要文化財として大湯屋と南円堂が指定されています。仏像や工芸品も国宝に指定されているものが多数あり、国宝館をはじめ、東金堂・中金堂・北円堂・南円堂にそれぞれ所蔵・安置されています。通年拝観可能な国宝仏像は国宝館・東金堂・中金堂に、一部期間のみ拝観可能な国宝仏像は北円堂・南円堂に安置されています。

国宝館には興福寺が所有する半数以上の国宝が展示されています。入館時間は9時から17時(受付終了16時45分)、入館料は大人700円、中高生600円、小学生は300円です。高さ520cmを超える木造の千手観音菩薩立像の迫力は凄くありました。展示されている国宝の迫力もすごかったのですが、館内には小学生が多く、話しをしていたり笑いあったりしている小学生に館員がしきりに「静かに」と言っていたのが印象的でした。

私が参拝した時には、2018年10月に落慶した中金堂が新型コロナウィルスの感染拡大防止のため閉館しており参拝することができませんでした。ですが2020年10月24日から拝観が再開になったそうです。拝観時間は9時から17時(受付終了16時45分)、拝観料は大人500円、中高生300円、小学生は100円です。

東金堂は重要文化財に指定されている本尊の銅像薬師三尊像が安置されています。拝観時間は9時から17時(受付終了16時45分)、拝観料は大人500円、中高生300円、小学生は100円です。

今回も車で行ったのですが、奈良公園の興福寺駐車場に停めました。営業時間は9時から17時、駐車料金は乗用車1000円です。駐車できる台数はそんなに多くなく60台程度で、ハイシーズンだと満車になることも多いようです。近鉄奈良駅が近く(徒歩で5分程度)にあるので、車ではなく公共交通機関を使った方が良いです。